いわゆる伝統派空手と呼ばれるものには、主に4つの流派があるとされます。このうち、今回は和道流(わどうりゅう)の特徴について説明していきます。級位・段位による帯の色の違いや代表的な型についても触れていきますので最後まで読んでくださいね。
昭和期を代表する空手家の1人大塚 博紀(おおつか ひろのり)さんが開祖です。大塚さんは当時本土で紹介されたばかりの空手に興味を示し、船越義珍に師事。そこで学んだ空手に新陰流等の古流剣術の体捌きを加えることで生まれたのが和道流です。
和道流は四大流派の中では唯一の本土発祥流派となっています。他の三流派は沖縄出身者を流祖としていますが大塚さんは茨城県出身です。
和道流というのは松涛館から派生した空手技術と本土の柔術が合わさったものです。発祥元が柔術ということで投技・足技・受け身などなど柔術や柔道に似た技が多いです。
一言でいえば「柔道色が強い流派」といったところでしょう。
あとは無駄な動きが少なく最小限の動きしかしない点、一本目から十本目までの10種類ある約束組手なども特徴的です。
和道流における帯の色と級位・段位の関係は以下のとおりです。
おおむね伝統流の他流派と同様ですが、細かな点で違いも見られますね。
和道流を代表するとされる型の一部をご紹介します。
和道流でもっとも難易度が高いとされる型です。直線的な動きでありながら、立ち方が次から次へと変化するため高い敏捷性と正確性が求められます。
和道流の型の中でも演武時間が長いものとして知られています。多彩な開脚技が流れるように次々と繰り出されるのが特徴です。
剛柔流のセーサンとルーツを同じくするとされる型。「セイシャン立ち」といわれる流派独特の立ち方にもご注目ください。
和道流は、柔術や剣道など他の武道の影響を大きく受けているのが特徴です。流れるような美しい型に目を奪われる方も多いことでしょう。
今回は伝統派空手のひとつ、和道流の特徴について解説しました。空手道なのに和を究めるという和道流の理念に大きな興味を抱いたという方も多いのではないでしょうか。今回の記事をきっかけに他の流派についても興味を持っていただけたら幸いです。