空手の糸東流の特徴|帯の色や型は?

いわゆる伝統派空手と呼ばれるものには、主に4つの流派があるとされます。このうち、今回は糸東流(しとうりゅう)の特徴について説明していきます。級位・段位による帯の色の違いや代表的な型についても触れていきますので最後まで読んでくださいね。

 

 

糸東流(しとうりゅう)の開祖

糸東流の開祖は沖縄県出身の空手家摩文仁 賢和(まぶに けんわ)さんです。摩文仁さんが13歳の時と19歳の時に師事した糸洲安恒と東恩納寛量より一時ずつ取った「糸東流」を1934年から名乗っています。

 

彼は東恩納寛量さんから学んだ那覇手、琉球古武術の棒術、釵術、神伝不動流などの本土の柔術など全ての技術と精神を融合させて作られたのが「糸東流」なのです。

 

糸東流は現在世界中に広がっている流派であり、多数の分派・会派も創設されています。

 

糸東流(しとうりゅう)の特徴

突きや蹴りだけでなく投げや逆技といった技術を含んでいて、総合武道の色が強いのが大きな特徴といえるでしょう。

 

鍛錬の特徴としては巻き藁を使用した突きや蹴り、砂利の上での正拳腕立て伏せなど実践をより意識したものが主流になっています。

 

最小限の動作が基本であり派手な技こそありませんが、それは実践・理論的に技を究明した結果です。

 

開祖の摩文仁賢和(まぶにけんわ)氏は、首里手の大家・糸洲安恒(いとすあんこう)氏と那覇手の大家・東恩納寛量(ひがおんなかんりょう)氏に師事し、両者の特徴を受け継ぎました。糸洲の「糸」と東恩納の「東」を合わせて「糸東流」を名乗ったというのが、現在では定説です。さらに、琉球古武道の棒術や釵術を取り入れるなど、糸東流には総合武術としての側面も色濃く残っています。

 

2.糸東流の帯の色分け

糸東流における帯の色と級位・段位の関係は以下のとおりです。

 

  • 白帯:8級〜10級
  • 緑帯:4級〜7級
  • 茶帯:1級〜3級
  • 黒帯:初段〜

 

おおむね伝統流の他流派と同様ですが、10級まで存在するなどの違いが見られますね。

 

3.糸東流を代表する型

糸東流を代表するとされる型の一部をご紹介します。

 

バッサイダイ

糸東流の第一指定形であるバッサイダイは、攻守にバランスの取れた型です。漢字では「抜塞大」と表記するように塞(とりで)を抜くかのような力強さが求められます。

 

ニーパイポ

ニーパイポは、糸東流における第二指定形のひとつです。鶴法に分類され、中国拳法の鶴拳を改良したものが現在に伝わっています。緩急を以下に付けるかがポイントです。

 

チャタンヤラクーサンクー

糸東流の中でも最高難易度を誇るとされる型です。2021年の東京オリンピックで清水希容選手が披露したことでも知られます。気合の入ったかけ声と素早く切れのある動きに注目です。

 

今回は伝統派空手のひとつ、糸東流の特徴について解説しました。「君子の拳」という考えを大切にして、心身の向上を目指す糸東流では、たくさんの生徒たちが毎日一生懸命に練習しています。この記事を読んで、伝統的な空手について興味を持ってもらえたら嬉しいです。