空手のことを調べたり、空手の稽古を始めたりしていると、かならずといっていいほど耳にするキーワードが「サンチン」です。今回は、空手の基本中の基本ともされる「サンチン」について概要をご紹介します。
首里手や泊手と並ぶ三大流派のひとつ那覇手の基本にして極意とされる型です。呼吸法をともなう肉体の鍛錬を行い、空手に必要な心身の強化を行います。独特の呼吸によって肉体を締め上げ、鋼のごとく固める点が特徴です。
サンチンは見た目に派手さはありませんが、完璧にこなせるようになるにはかなりの稽古が必要とされます。
「サンチン」の稽古を積むことにより、心・技・体のそれぞれにおいてプラスの効果を期待できます。呼吸により肉体を締め上げることで強靭な肉体づくりを行えるのは、先ほど述べたとおりです。強い肉体からは、鋭い突きや蹴りを繰り出せるようになりますし、受けも上達します。これらは、きっと自分への自信につながるはずです。
宮城長順(みやぎちょうじゅん)氏は、「法は剛柔を呑吐する」という言葉から自らの流派を剛柔流と名付けたとされます。その剛は「サンチン」で、柔は「転掌」で具現化されているというのが一般的な解釈です。そのため、高段者であっても常にこの二つに立ち返って自己を見つめ直すといいます。
「サンチン」は攻守において要となる、空手のいちばん大切な基礎を担う型です。単にフォームを習得するだけでなく、正しい呼吸法を身につけることができれば、あなたの実力は確実にランクアップすることでしょう。