空手って武道じゃないの?

武道と他の格闘技の違いとは何でしょうか?一つは日本で生まれ日本で体系化された武技の運動文化です。

 

さらに武道を習う者には、人格を磨き、礼節を重んじ、相手を尊重する気持ち、伝統も重視されます。しかし他の格闘技では、スポーツマンシップは求められても、武道ほど人格の向上や礼儀作法、伝統の重視などは求められません。

 

 

空手は日本武道か?

まず空手発祥の地は琉球王国。もしいまでも琉球王国が独立した国のままであれば、空手は武道として認められなかったでしょう。

 

琉球王国は1872年(明治5)に明治政府によって廃され、琉球藩となり、さらに1879年(明治12)に沖縄県となります。琉球王国が日本となることで空手は、武道としての資格を得たのです。

 

そしてその後空手は日本の本土に伝えられ、急速に日本武道化していき、やがて誰もが認める日本武道となりました。

 

昭和の中頃まで空手の地位は低かった

とはいえ、本土の人々にとって空手の地位は決して高いものではありませんでした。空手は突き蹴りが主体の武術。昔の人たちにとって「空手は乱暴」「子どもに空手を習わせるとケンカばかりして不良になる」などと考える人たちも少なくなかったのです。

 

そんななか、空手は他の武道よりも武道らしくしようとしてきました。いまでも多くの空手道場では、ことさら大きな声で「押忍(オス)!」と挨拶し、礼儀作法を厳しく教えられます。

 

幕末の時代、京都に新選組という警察組織ができましたが、彼らは当初農民集団でしたので、掟を厳しくして武士よりも武士らしくふるまったのと似ていますね。