空手は武道スポーツですから、当然運動神経がいい人が有利となってきます。では運動神経が悪い人は空手に向いていないのでしょうか? 空手をやると運動神経は良くなるのでしょうか?
私たちが一般的に使っている「運動神経がいい・悪い」とは、自分が思った通りに体を動かせているかどうかです。例えば、憧れのスポーツ選手を観て、脳内で再現し真似てみる。脳内のイメージ通りに肉体を動かせる人が、運動神経がいい人なのです。
しかしいきなりイメージ通りにできる人などいません。そこで大切なことは反復練習です。地道な反復練習を何度も繰り返し、努力することで運動神経は良くなってくるのです。
空手の練習というのは、基本稽古をやり移動稽古をやり、型稽古を繰り返し行います。まさに「地道な反復練習を何度も繰り返し」ていることになります。
同じ運動を繰り返すことで、最初はうまくいかなかったとしても、脳から全身に神経回路が伝わっていき、やがて上達します。つまりこれは運動神経が良くなっているということです。
運動神経が爆発的に伸びるのは、やはり子ども時代、5歳〜12歳の期間をゴールデンエイジと呼んでいます。
昔の子どもは外で鬼ごっこや缶蹴りなど、体を使った遊びをよくやることで運動神経を伸ばしていましたが、今の子どもは外遊びをしなくなりました。
2022年、スポーツ庁が小学5年と中学2年に「全国体力テスト」を行いましたが、結果は過去最低。いまの時代、この運動神経を伸ばすためには、親がスポーツをやらせるなど、積極的なかかわりが必要な時代かもしれません。
あるデータによると運動能力の高い子どもは成績も良いということですから、ますます子どもに、空手などの運動をさせるのは有用と言えます。
運動神経は「頭で考えた通りに体を動かせること」ですから、大人になっても向上します。ある程度の年齢になると、筋力、持久力、柔軟性、スピード、バランスなどが衰えてくるのは仕方のないこと。
しかし空手などを習い、練習を繰り返すことで、これまでできなかったような動きができるようになり、身体能力も向上していきます。逆に大人になってもっともよくないことは、あきらめて何もしないということじゃないでしょうか。