空手はアマチュアスポーツです。基本的にはプロボクサーや、プロレスラーのように、試合をしてファイトマネーなどということはありません。
ただ、1970年代の空手ブームのときに「プロ空手」と言ってリング上がってという興行があった時代もありました。しかし日本の場合ショー的な演出が強く、80年代前半で興行は終了したようです。
よって現在は、空手の全日本大会に出て、優勝しても賞金は出ないのが普通です。
冒頭でお伝えした事情があるので、今の日本において、「空手のプロ」とは、道場経営をしたり、空手指導員をして選手としても活躍しながら、収入を得ている人を指すのかも知れません。
しかし道場経営というのはなかなか大変です。月々の道場の家賃を払わないといけません。最初は道場にマットを敷くなどの内装工事も必要、サンドバックやキックミットなどの備品も揃えるとなると、初期費用だけでも大変な支出になることでしょう。
空手団体の職員になったり指導員になるという方法もありますが、どの団体でも薄給であるということは共通しているようです。
古い話になりますが、正道会館で選手をしていた後にK-1でスターになった佐竹雅昭は、職員として石井館長に「月給5やる」って言われて「50万」だと思い込んでいたら、実際は月給「5万円」で愕然としたという話があります。
そしていま、道場経営をしても儲からず、年収は300万円程度、ほとんどの人が「好きだから道場を出してまでやっている」というところが多いようです。
主な収入は、生徒さんからの月謝です。
空手道場に入門すると、白帯からはじまり黒帯まで黄帯や青帯、オレンジ帯など、道場や流派にもよりますが、10種類近くの色帯があるのをご存じでしょうか?
これは黒帯までの少しでも多くの昇級審査を受けさせ、少しでも多く審査料を得るためです。これら審査料が、団体や道場の儲けになるのです。
結局空手だけで食べていくというのは大変なこと。
道場を構えている先生も、実家がお金持ちであったり、元名選手で支援者がお金を出してくれていたりという場合が多いのです。
現在は少年部がドル箱ですから、子ども達のお世話や保護者とのお付き合いも必要になってきます。
・・・ホント、好きじゃないとやっていけない世界ですね。